セキュリティ

花キューピット不正アクセス:
花屋さんが知っておくこと

加盟店も、そうでない花屋さんも「今週やること」【2026年10月】

2026年10月28日、花キューピット株式会社が、公式通販サイトへの不正アクセスで会員情報が最大423万8,242件漏えいしたと発表しました。花の業界で最もよく知られたネットワークで起きた出来事なので、「うちのお客様は大丈夫?」「お客様から聞かれたらどう答えれば?」と不安に感じている花屋さんも多いと思います。

この記事では、公式発表と報道をもとに何が起きたのかを整理します。そのうえで、加盟店の方と、加盟していない花屋さんの両方に向けて、お客様への答え方と、今週中にやっておきたいことをまとめました。


先に結論:花屋さんが今知っておくべきこと

4つのポイント

  • ① 漏れたのは「ログインID・暗号化されたパスワード・メールアドレス」。氏名・住所・電話番号・お届け先・カード情報は対象外と発表されています
  • ② 対象は公式サイトの会員だけ。加盟店の店頭や電話で注文したお客様、外部モールで注文したお客様は対象外です
  • ③ これから増えるのは「花キューピットや花屋を名乗る偽メール」。お客様への注意喚起が一番の備えになります
  • ④ 自分のお店のパスワードも、この機会に見直す。使い回しをしていれば、今すぐ変更を

何が起きたのか ― 公式発表の整理

時系列

日付できごと
10月14日〜15日花キューピットの管理システムに、第三者が不正アクセス
10月19日調査の中で、会員情報の漏えいを確認
10月28日公式発表。対象の会員へ、登録メールアドレス宛てに順次連絡を開始

出典: 花キューピット「当社運営サイトへの不正アクセスによる会員情報漏えいに関するお詫びとお知らせ」、ネットショップ担当者フォーラム

対象のサイトは、個人向けの「インターネット花キューピット」と法人向けの「ビジネス花キューピット」の2つです。対象が多いため、全員への連絡が終わるまでには時間がかかる見込みとされています(出典: 株式会社アクト)。

漏れた情報・漏れていない情報

漏えいした(と発表された)情報漏えいしていない(と発表された)情報
ログインID氏名・性別・生年月日
パスワード(元に戻せない形式で暗号化)住所・電話番号
PC用メールアドレスお届け先の情報
携帯用メールアドレスクレジットカード番号などの決済情報

パスワードは復元できない形式で保存されていたと説明されています。また、発表時点で二次被害(不正利用など)は確認されていないとのことです。会社側は、使われた攻撃経路をすべて遮断し、監視体制を強化しました。個人情報保護委員会と警察にも報告済みです。今後は外部の専門機関と原因を調べ、再発防止策を進めるとしています。なお、金銭的な補償や返金は予定していないとされています(出典: ネットショップ担当者フォーラム)。


何が狙われたのか ―「IDとメールアドレス」の価値

今回入り込まれたのは、お客様が見るサイトそのものではなく、裏側の管理システムです。どのような手口で入られたのかは、発表時点では公表されていません(原因は調査中)。

「名前も住所も漏れていないなら、たいしたことはない」と思うかもしれません。でも、攻撃者にとってログインIDとメールアドレスの組み合わせは使い道の多い情報です。

  • 偽メール(フィッシング)の宛先リストになる — 「花の注文サイトの会員」とわかっているので、「ご注文確認」「お届け日の変更」「お支払いエラー」を装った偽メールをもっともらしく送れます(出典: 株式会社アクト)
  • 他のサービスへのなりすましログインに使われる — 同じIDとパスワードを別のサイトでも使い回している人は、そちらも乗っ取られるおそれがあります。花キューピット自身も、使い回している場合はほかのサービスのパスワード変更をすすめています

つまり、これから気をつけるべきは、「花キューピット」や「お花屋さん」を名乗る偽の連絡です。花屋さんにとっては、自分のお店の名前をかたられることも考えておく必要があります。


10月は不正アクセスの発表が相次いでいる

花キューピットだけが特別に狙われたわけではありません。2026年10月は、通販や会員サービスへの不正アクセスの発表が続いています。

公表企業・サービス内容
10月28日花キューピット会員情報 最大約423万件
10月下旬佐川急便「お荷物問い合わせサービス」個人情報 最大約5,323万件流出の可能性
10月中旬Eストアー「ショップサーブ」(EC構築サービス)利用店舗7,858店・2,335万人分。うち209万人分はカード情報も
10月中旬ブックオフグループ会員情報 最大約643万件の漏えいの可能性

ショップサーブの例は、お店が使っていたネットショップの仕組みそのものが狙われたケースです。自分でサイトを作っていなくても、使っているサービスが攻撃されれば、お店のお客様の情報も巻き込まれることがわかります。こうした状況を受けて、IPAは不正アクセスの特別相談窓口を開設しています。


花屋さんへの影響は? ― 加盟店とそうでないお店

加盟店で注文したお客様は対象外

発表によると、対象は公式サイトでメールアドレスを登録した会員に限られます。次のお客様は対象外です(出典: 株式会社アクト)。

  • 加盟店の店頭で注文したお客様
  • メールアドレスを登録していない電話注文のお客様
  • 外部のショッピングモールで注文したお客様

ただし、同じお客様が別の機会に公式サイトで会員登録していることはあり得ます。「うちで買ったお客様は全員無関係」とは言い切れないので、答え方には注意しましょう。

加盟店・非加盟店で起こりうること

起こりうること加盟店加盟していないお店
「私の情報は大丈夫?」という問い合わせ店頭・電話で増える可能性大「花キューピットと同じ?」と聞かれることも
花キューピットや花屋を名乗る偽メールお客様が受け取るおそれ自店の名前をかたられるおそれ
お客様のネット注文への不安店頭・電話注文に戻る人も自店のネット予約の安全性を聞かれることも

お客様に聞かれたときの答え方【例文】

大切なのは、わかっている事実だけを伝え、推測で「大丈夫です」と言い切らないことです。

例文① 加盟店で「私の情報は漏れた?」と聞かれたとき

店頭・電話での受け答え

ご心配をおかけしております。花キューピットの発表では、対象は花キューピットの公式サイトで会員登録をされた方で、当店の店頭やお電話でのご注文は対象外とされています。公式サイトで会員登録をされたことがある場合は、花キューピットから登録のメールアドレスにご案内が届きますので、そちらをご確認ください。漏れたのはIDとメールアドレス、暗号化されたパスワードで、お名前やご住所、カード番号は含まれていないとのことです。

例文② 店頭・SNSでの注意喚起

店頭・LINE・SNSで発信

【ご注意ください】お花の注文確認やお届け日の変更を装った不審なメール・SMSにご注意ください。当店からメールやお電話で、パスワードやカード番号をおたずねすることはありません。少しでも気になる連絡があれば、お手数ですが当店まで直接お問い合わせください。

例文②は、加盟店かどうかに関係なく使えます。お店のLINE公式アカウントやInstagramで1回発信しておくだけでも、お客様の安心につながります。LINEでの配信方法は花屋のLINEで売上を作る|配信メッセージ例文&クーポン設計も参考にしてください。


花屋さんが今週やることチェックリスト

お客様のために

  • 上の例文②を、店頭・LINE・SNSで発信した
  • スタッフ全員が、問い合わせへの答え方(例文①)を共有した
  • 「お店からパスワードやカード番号を聞くことはない」とお客様に伝えた

自分のお店のために

  • 自分(店主・スタッフ)が花キューピットの公式サイトに会員登録していれば、そのパスワードを変更した
  • 同じパスワードを、お店のメール・予約サービス・ネットバンキング・SNSに使い回していないか確認し、していれば変更した
  • 主要なサービスで2段階認証をオンにした
  • 使っている予約・ECサービスからセキュリティのお知らせが出ていないか確認した
  • 「受注システムの確認」「お支払い情報の更新」などを名乗るメールのリンクを開かないよう、スタッフに共有した

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よくある質問(FAQ)

Q. 加盟店のお店が持っている顧客情報も漏れたの?

A. 発表されているのは、花キューピットが運営する「インターネット花キューピット」「ビジネス花キューピット」の会員情報です。加盟店の店頭や電話で注文したお客様は対象外とされています。加盟店向けのシステムについての影響は、本部からの連絡を確認してください。

Q. お客様に「補償はあるの?」と聞かれたら?

A. 花キューピットは、今回の件で金銭的な補償や返金は予定していないと案内しています。お店から独自に約束はせず、「花キューピットの公式のお知らせをご確認ください」とお伝えするのが安全です。

Q. 加盟していないお店にも関係ある?

A. あります。漏れたメールアドレスには、「お花の注文」を装った偽メールが送られるおそれがあります。お店の名前をかたられる可能性もあるので、「当店からパスワードやカード番号を聞くことはない」と、お客様に一度伝えておくと安心です。

Q. 原因は何だったの?

A. 発表時点では、どのような手口だったのかは公表されていません。花キューピットは外部の専門機関と原因を調べるとしています。続報が出たら、公式のお知らせで確認しましょう。


まとめ

  • 花キューピットの公式通販サイトで、会員情報 最大423万8,242件が漏えい(10月14〜15日に不正アクセス、28日に発表)
  • 漏れたのはログインID・暗号化されたパスワード・メールアドレス。氏名・住所・お届け先・カード情報は対象外と発表
  • 加盟店の店頭や電話で注文したお客様は対象外。ただし、同じ人が公式サイトの会員になっている可能性はある
  • これから増えるのは「お花の注文」を装った偽メール。お客様への注意喚起と、問い合わせへの答え方の共有を
  • この機会に、お店のパスワードの使い回しをやめ、2段階認証をオンに

今回の件は、どれだけ大きな組織でも、お客様の情報を預かる以上は狙われるということを示しています。花屋さんにできるのは、正しい情報をお客様に伝えることと、自分のお店の「入口」をしっかり閉めておくことです。

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出典

  • 花キューピット「当社運営サイト(インターネット花キューピット等)への不正アクセスによる会員情報漏えいに関するお詫びとお知らせ」(2026年10月28日)
  • ネットショップ担当者フォーラム「花のECサイト『花キューピット』などに不正アクセス、423万件の顧客情報漏えいの可能性」(2026年10月29日)
  • 株式会社アクト「『花キューピット』に不正アクセス、会員のログインIDやメールアドレスなど423万8,242件が漏えい」(2026年10月29日)
  • INTERNET Watch「『花キューピット』、不正アクセスで会員情報約424万件が漏えい」(2026年10月28日)
  • 読売新聞オンライン(Yahoo!ニュース)「『花キューピット』に不正アクセス、会員の個人情報が最大423万件流出」(2026年10月28日)

※ 本記事は2026年10月29日時点の公式発表と報道をもとにまとめたものです。調査は続いており、内容が更新される可能性があります。最新の情報は、花キューピットの公式のお知らせでご確認ください。